一般外科医の知識置き場

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光線力学療法(PDT:photodynamic therapy)

【論文】

食道癌に対する光線力学療法

矢野ら, GastroenterogicalEndosopy59(12):2017

 

【要旨】

癌に取り込まれる腫瘍親和性光感受性物質(PS)とレーザーを用いて光化学反応を引き起こし,腫瘍を破壊する.本邦ではレザフィリンが用いられる.

適応は以下.

①LN転移/遠隔転移(‐)

②遺残再発病変の壁深達度がT2にとどまる

③長径3㎝以下

④半周以下

⑤頸部食道に浸潤していない

術後は光過敏症になることがあり遮光が必要.

 

【サルベージとして】

dーCRT後の113例中66例でCR(病変はT1b以内)

5y-OSは35.9%

予後因子:CRT前N0,T1-2,PDTまで6カ月以上空いている症例

 

【方法など】

レザフィリン投与後4-6時間にPDレーザーを照射.

2日照射することもあり.

術後は食道痛や嚥下障害など.食事は翌々日から.

1week後に2nd look.

2weekの遮光.

光過敏性試験を施行し,問題なければ退院.