鼠径ヘルニアにおける神経走行,その対処
【論文】
Lichtenstein法における神経対処と自己接着性メッシュの追加固定
原/中川ら,臨床外科会誌(2020)
【3本の神経と腸骨下腹神経の切離】
・3神経のシェーマ:
腸骨下腹神経(黒矢印),腸骨鼠径神経(白矢印),陰部大腿神経陰部枝(黒矢頭).
・右図は腸骨下腹神経に対するpragmatic neurectomy.筆者らは外腹斜筋腱膜を貫く位置によってメッシュの妨げになる場合,切離している.
【治療成績と神経同定】
・同定率
腸骨下腹神経:73%→内49%で切離
腸骨鼠径神経:69%
陰部大腿神経陰部枝:85%
・慢性疼痛は0/234人
【術後疼痛の予防の観点から】
・Pragmatic neurectomyでは鋭的な切離と断端埋没(自然に引き込まれ埋没することが大半)が有用と考えられる.
・極力Investing fascia(被覆筋膜) をつけて剥離.