心不全が癌のリスク?
【論文】
Heart failure is associated with an increased incidence of cancer diagnoses
Christoph Roderburg, ESC Heart Failure (2021)
【要旨】
後ろ向きコホート研究で心不全を持つ100124人と心不全のない100124人でマッチさせ,癌の発症について比較検討した.10年の観察期間において心不全(+)群では25.7%が,心不全(-)群では16.2%が癌と診断された(log-rank p<0.001, hazard ratio, 95% confidence interval:1.76, 1.71–1.81).強い因果関係にあった部位は口唇/口腔/咽頭癌であった.続いて呼吸器癌,女性器癌の順に関連がみられた.その他,皮膚癌,消化器癌,造血器,泌尿器,乳癌にも関連が見られた.
【方法・対象】
・年齢、性別、DM、肥満度でマッチ
【結果・ディスカッション】
・心不全ではSerpinA3 and A1, fibronectin, ceruloplasmin, paraoxonase 1といった腫瘍成長因子を惹起しているという報告あり。
・癌患者ではBNPやTropT高知の症例が多いという報告もあり。
【疑問】
・対象が多すぎて喫煙や生活習慣などの情報が拾えておらず交絡の調整が不十分ではないか?